cafē 水照玉 & hostel~多忙なスローライフ徒然

屋久島・永田のCafēとゲストハウス。ゆる~く菜食&マクロビオティック 営業案内と田舎暮らし・農・食・サスティナブル・教育その他雑多に。

教科書検定のこと

教科書検定のこと

 今年の教科書検定で第2次世界大戦の折の沖縄戦についての記載が書き換えられたとのニュース。
小泉政権を継承する阿部政権、相当きな臭いというか将来に不安を感じるニュースだった。
防衛庁は省になるし最近聞かないが憲法9条の問題もある。アフガンやイラク戦の時アメリカに対して
そんなに戦争がしたいのか!!と思ったけれど、阿部政権と言うか政治家の皆さんもやっぱり戦争が
したいとしか思えない・・・。

 大体、歴史と言う物は過去に学び、過去にあった過ちは反省し繰り返さない、過去から伝わる
美しいもの、良きものを大切に受け取り、より良い今や未来を作る為に学ぶ物だと私は思っている。
だから実際にあったこと、事実はそれが恥だろうが都合が悪かろうが事実として伝えなければ
いけないと思っている。それをまるで無かったかのように訂正させるなんてナンセンスの極み。

 我が夫君いわく「教育と言う物は政府や国家が自分達にとって都合のいい国民を育てるための
道具」なのだそうだから、今回の検定問題はその視点から当然の処置なのだろう。
となると「真の良識ある国際人として、世界と協力していける日本人である為に徴兵に付くのは
当然の義務です」とか「美しい国日本はアジアの平和を守るリーダーです」なんて記述もそのうち
教科書に気が付いたら載っていて、そういう風に育てられていくなんてことになりそうだ。

 日本は民主国家で言論や活動の自由が保障されているというのが、皆が信じている所だと思うけれど
実際には伝わらないニュースやある側面しか伝えられていない物はたくさんあるし、言論や文筆の
自由なんて許された範囲で保証されているに過ぎない。だってネット上に置いてもプロバイダー側で
IDや記載を削除できるシステムが存在していて実際にそれは機能しているのだから、政府国家が
その気になれば明日からいきなり戦争反対とか政府批判の書き込みがあるWEBサイトやブログが
見られなくなる、書けなくなるなんてのは簡単に現実となる。巨大になればなる程企業の良心なんて
物は建前でしかなくなるので当てにするのが間違いだ。

 沖縄戦に限った話ではないけれど、被害者は自分がされた事を絶対に忘れない。でも加害者側と
いうのはそうした事実は無かった事にしたがる。罪の意識を抱えていればその傾向は尚更で、時間が
立つのに比例して「そんな事は無かった」と当人の中では記憶が書き換えられてしまい、それが
事実となる。ましてや戦争と言う皆が狂気の中にいるような中での出来事は、平和な時間、まともな
思考に戻った時には中々自身で認められない、認めてしまうと自分のメンタリティが保てないという
事は充分にありうるだろうから、「自決を強要したような事実は無い」と断言している沖縄戦に従軍
していた元軍人さんにとってはそれが真実になってしまっていると考えられるし、その狂気の時間を
知らない我々が責める事は出来ないし責める気もない。

 それよりも、国家の政策として事実を隠匿するやはり政府が問題なのだ。阿部政権が誕生した時の
美しい国」というコピーといい、最近ブームになっている食育への政策、そして教育基本法改正で
盛り込まれた「愛国心を養う」という骨子・・・。あぁなんか、本当にきな臭い!!

 私は自分の生まれたこの国の気候風土も伝統も気質もとても好ましく思っているから、自分の生まれ
育った国に愛着や愛情があって当たり前だと思うし、海外のどの国の人も自分の国に対しては身贔屓が
過ぎるだろうと思うくらい愛国心バリバリなのが普通だ。食育についても現在の世の中の状況を見る
限り必要であり今キチンと進めていくべき物だとは当然思う。

 ただそれを国家が音頭をとってやっているのが、どうにも気色悪いのだ! 自分の国や自国の文化が
好きだと思う気持ちは当たり前の物で、右翼でもなんでもない。君が代だって、本来はお祝いと大切な
人の長寿や繁栄を願う歌で「君」を、天皇に限定するから問題があるわけで自分の愛する人や大切な人
に置き換えても歌としては別に何の問題も無いのだ。フランスの国家もアメリカの国家も相当物騒な
内容だから日本のそれは随分平和的でいい歌じゃないかと思ってしまう。

 とりとめが無いけれど、なんだかとてつもなく不安になるニュースだ。私は自分の子供を戦争になんか
いかせたくないです、絶対に。 ただ真綿でくるむようにとは大げさだけれど、徐々に徐々にきな臭い
方向へ色んな政策が向かっている、我々もまた向かうように仕向けられていってるという気がして
ならないです。