cafē 水照玉 & hostel~多忙なスローライフ徒然

屋久島・永田のCafēとゲストハウス。ゆる~く菜食&マクロビオティック 営業案内と田舎暮らし・農・食・サスティナブル・教育その他雑多に。

自給自足を考える。何処まで可能?その①

 先日、知人の民宿の店主から聞いてきたと言って若いカップルが尋ねてきた。
屋久島への移住希望者で自給自足の暮らしがしたいのだそう。

 屋久島の集落は個々に差があるけれど、全体には閉鎖的で移住は意外と難しい。
空家は結構あるけれど、人に(多分他所者に)貸したがらないのです。
もっともタイミングの問題で、本来の持ち主が亡くなられたか、本州の家族のもとに
引き取られていって、留守を預かる親戚の人も管理の手がかけられない・・・といった
場合に運良く出くわすとスルッと移住できてしまう事もあります。
  (私の主人は屋久島は人を選ぶから、来られる人と来られない人がある・・・と言ってます。)

我が家なども屋久島自体に何のこだわりも憧れも無く、長女の出産を機にどこか田舎で
暮らしたいね・・・と相談していたら偶然、現在住んでいる家がもうすぐ空く、
ということで屋久島に来ました。

移住から4年が経とうとしている今、ありがたい事に食べ物に関しては豆腐や蒟蒻などの加工食品や
調味料類以外、つまり米と野菜に関してはほぼ自給できている。
味噌は自家製だしマヨネーズやチリペーストなど作れる物は作っている。

でも世にいう自給自足という暮らしには程遠いだろうと思います。

まず電気・ガス・水道、これを自給で賄うとなると相当大変!!
ガスは薪で、というのは可能だけれど、そうなると毎日が焚き火料理のキャンプ生活なので
食事をするということだけで主婦の一日は終わりそうです。
慣れれば早くなるとはいえ、ガスコンロの扱いやすさに比べるべくも無いのは
容易に想像していただけるでしょう。
ゴミや糞尿から発生するメタンガスを利用するシステムもあるようですが、
相当量のゴミ・糞尿がいるらしく、家族4人がちまちまと田畑をやっているくらいでは
どうも賄えそうに無いようです。

水道も飲料水の一部は山から汲んできているけれど
  (余計な事をしないで!といいたくなるのだが、屋久島の水道課は時々カルキを入れるのです!)
毎日の洗濯やお風呂のお水を今住んでいる集落の中まで直接引っ張ってくるのは多分無理。
家自体をもっと山奥に移動させれば可能ですが、屋久島の山は私有地が多い。

電気も太陽電池をつけられれば言う事ないでしょうけれど、個人の家で平均的に使う電気を賄う為には
350万から400万位はかかるみたいです。しかも我が家は築130年以上のボロ家なので太陽電池
設置する為には屋根の補強(多分リフォーム)からしなくてはいけなくなります。
太陽電池の設置には半額近いお金が多分国から補助されるはずですが、それでも諸々の経費を考えると
300万はくだらないでしょうから、月々4~5000円の電気代を賄えたとしても、一体何年で
ペイできるのか・・・?という話になります。

衣食住のうち、衣に関しても自分で自分の服を作るくらいは今もやっていますが
原材料となる布地や毛糸などまで自給で賄えるか・・・?
う~ん、かなり難しいですね・・・。機織もしなくちゃいけないし、綿や麻を栽培したり
羊も飼わないといけない??? 麻なんか栽培した日には警察がきて逮捕されちゃいますね(笑)。

つまり相当ストイックで、かつ時代を遡った暮らしをするか、
修験者か仙人のような暮らしをしない事には現代社会で生活の全てを自給自足するのは
不可能に近いかもしれません。
同じような志しをもつ人たちでコミュニティを作って行うならまだ見込みがありますが・・・。

もちろん、広大な田畑や私有地を確保したり、十二分な電力を賄う太陽電池や自家用の井戸を
確保できると言った事を余裕で実現できる財力があれば充分可能しょう。
実際に東京都に新築の家を建設して、その家に自家用の井戸と余裕で売電出来るほどの太陽電池設備を
とりつけた酔狂な大金持ちの社長さんもいます。


どこまで自給自足で賄うのか・・・?