cafē 水照玉 & hostel~多忙なスローライフ徒然

屋久島・永田のCafēとゲストハウス。ゆる~く菜食&マクロビオティック 営業案内と田舎暮らし・農・食・サスティナブル・教育その他雑多に。

冬です、自家製燻製のシーズンがやってきました。

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 今年始めての燻製を先日作成。

 12月頭に材料を購入、一晩血抜きしてからハーブとスパイス類をたっぷり使ったピックル液に
漬け込むこと10日間。

 1時間半ほど流水で塩抜きして、一晩干し物用の網に入れて乾燥。

ようやく燻製作業に至って丸一昼夜。 さらに5分から15分と物によって差がありますがボイル。

 今年始めての燻製が出来上がりました。

 今年は奮発してロースハムを作成。豚のタン・心臓、鳥のズリと心臓、それにチーズ、ししゃも。
 我が家がこれほど大量の動物性タンパク質を買ったり調理したりするのは、
 この時だけかもしれません。

 今年は昨年よりかなりグレードアップの出来上がり。

 写真の縦長の缶が自家製の燻製マシーン。お菓子などの一斗缶二つを使用、
もち焼き網と太い針金、エス環等で作った安上がりの物体ですがこれで充分!!。

 自分で作ってみるとわかりますが、燻製と言うのはヨーロッパの寒く厳しい冬を過ごす
素晴らしい智慧だな・・・と感心します。

 香辛料やハーブで塩漬けした肉類をさらに燻製にすることで保存効果は抜群。
しかもただ生肉を焼いたり調理するのとは違う、旨みや深み、味の熟成が進みます。

 いくら冬のヨーロッパが乾燥して寒さが厳しいと入っても冷蔵庫などない時代。
これらの塩分は減塩ばやりの現代人が食べている物より、もっと塩辛かったと思われます。

ヨーロッパの緯度は北海道と同程度かそれよりも高くて、大陸性の気候の為に寒いので
本格的な春の到来は平均4月の中旬過ぎと思われます。

 それまでの長い冬の期間、ハムやソーセージ類は貴重な蛋白源であると同時に塩分と
タンパク質の旨みを含んだ調味料だったと思われます。

小さなダイス状に切ったハムと豆類や野菜をコトコト煮て軽くコショウするだけで
調味料いらずで体のあったまる一品になります。

オムレツやハムエッグなども調味料いらず。 ハムや燻製類に含まれている塩分や風味だけで
他の卵や野菜が美味しくいただけますし、パンに挟めば美味しいサンドイッチです。

 「洋食」というと高カロリーで、さしずめ現代人のメタボリックの敵のようなイメージが
もたれがちですが、伝統的なヨーロッパの家庭の食事と言うのは全く違うと思われます。

 小麦の生産力は米の半分から1/5といわれ、伝統的にはヨーロッパではジャガイモが
アメリカ大陸からもたらされるまでは、餓死者が毎年のように出ていたとの記録も見られます。

肉といっても、メインは羊か豚。しかも一頭潰して食べるのは収穫祭やクリスマスなどの
特別なハレの日、秋の終わり近くに冬の間の保存食として塩漬けや燻製に加工するため
だけだったようです。

 現代の洋食といわれる物は、ごく近代のアメリカから輸入されてきた食スタイルで、
伝統的なヨーロッパでは全粒粉のパン類と野菜スープ類に卵・乳製品が付くというもので
一年中ふんだんに肉食をしていたわけではないと思われます。

 金と物の力、しかも自国内だけで余るほどの穀物や食料を生産できるアメリカと言う国の
近代以降の食生活自体が異常なごく最近の歴史しかないものであり、アメリカ人を不健康に
していたとアメリカ政府自体が食生活改善の国家政策(有名なマクガバンレポート)を
取って久しいのです。

 日本の洋食の始まりは明治政府の外交政策として始まった接待料理、つまりおもてなしの為の
ご馳走料理が民間にも文明開化の味、外国のハイカラな味として庶民の間でアレンジされていった物。
つまりハレの料理がメインに伝わってきた事も現代人のメタボリックの要因かもしれません。

 もうひとつは、寒くて乾燥したヨーロッパではアジアのような発酵文化よりも、動物性の
食品や乳脂肪製品で味にコクや深みを出すと同時に身体を温める食事がメインになるという
気候風土の育んだ食文化の違いがあります。

 これを高温多湿な日本、しかも食糧がふんだんにある現代人に(一部の先進国を自称する国
 だけですが・・・)そのまま持ってきて日常的に食べる事にも問題があるでしょう。
ご馳走・生活の彩りとして時々食べる分には問題ないわけです。

 そんな訳で洋食=悪みたいな現代の風潮には少し疑問を感じます。子育ての面でも伝統的な
日本食で、洋食はなるべく食べさせない!みたいな極端な記述を見かけることがありますが、
オムレツや焼き飯やカレーだって材料の選び方、調理の仕方で随分違ってきます。
ようは工夫次第、先にあげたような欧米と日本の気候風土や伝統の違いをある程度理解したうえで
調理する姿勢による所も大きいと思います。

 日常であるケと特別なご馳走の日であるハレとの生活や食事のメリハリも重要でしょう。
 
 私は個人的には四足動物の肉を殆ど食べないし、食べても量は少ししか食べられない方なのですが
ハム・ソーセージ類は結構好きなんです。

肉特有の臭みがないし、手間隙や調理をすることで元の肉とは違う物になっているせいでしょうか?

私の独断で言えば、ハムなどは沖縄のラフテーと並んで豚の最も美味しい食べ方かも
しれないと思っています。

 燻製は時間はかかるけれど、手間事態はそれほど大変でも難しい物でもありません。
ぜひおうちでもお試しになって、美味しいヘルシーなメニューに役立ててください。