cafē 水照玉 & hostel~多忙なスローライフ徒然

屋久島・永田のCafēとゲストハウス。ゆる~く菜食&マクロビオティック 営業案内と田舎暮らし・農・食・サスティナブル・教育その他雑多に。

鍬始め 新年の言の葉

天は晴れ地は湿ふや鍬(くわはじめ) 正岡子規

 鍬始(くわはじめ)
 新年1月の2日・4日または11日に行われる農業神事。
 地方によって日は異なるが、鍬で田畑を起こして神事や祈りを捧げ
 その年の豊作を祈る行事。
 
 新年には「織初 おりぞめ」「縫初 ぬいぞめ」「斧始め」など
 農漁業をはじめ「初め」のつく言葉は数え切れない。

  旧暦の昔は、正月は必ず立春の前後、2月初旬頃だったから
 丁度寒さはピークを迎え、これから地温・気温もゆるやかに上昇を始める、
 まさに「新春」。

 天地全ての物が動き出す訳で、農事も生活も長い冬から再生する季節。
 冬のピリッとした緊張感のある空気の中で迎える新年というのは
 確かに清々しく全てが新たまる感があったのでしょう。

 現代はマスコミや企業・商店が騒ぎ立てるだけで、あまりそうした緊張感や
 清々しさ、新年の厳粛さみたいな物を体感できる事は少ないようにも思います。

 
あさみどり 春たつ空に うぐひすの はつこゑまたぬ 人はあらじな
                       和漢朗詠集より 麗景殿女御

 晴れやかで新年、新しい春の到来を寿ぐ心にあふれたこの句が
私は和歌の中でもお気に入りの一つです。 

 新年とはいっても、現実には日付が変わるだけのことで何が特別変わるという訳では
ないのが現実かも知れません。
 けれど、こんな晴れ晴れとした心持ちや季節の節目を祝う心や伝統と呼ぶべき物は
とても美しいものだと思うし、こうした心持や風俗と言うのはやはり季節や風土といったものと
歩調をあわせる暮らしの中でこそ光り輝いて見えるものなのではと思います。

 今年も賀状準備はろくに出来ず、大晦日の夜までかかっておせち料理その他
しつらえました。疲れました・・・。

 でも一夜明けて家族みんなで、やや簡略化してはいるもののお屠蘇をいただいて
きちんとお正月や季節ごとのお節句を祝う・・・・というのは
絶対この田舎暮らしでは続けたいことの一つです。手間隙めいっぱいかかるんですが・・・。