ギャラリー開催のお知らせ
3月14日から20日まで下記の通りギャラリー展を開催します。
如月の柳絮展vol.6 3/14~20
~漉いた紙に浜を描く 浦島太郎の物語と屋久島その2~
15日は紙漉きワークショップ開催「油桐で作る紙」 10:00AM ~
主催 「屋久島和紙」研究会 問い合わせ0997-44-2486(小林)
屋久島で様々な素材を用いた和紙の製作研究とワークショップを行う
「屋久島和紙研究会・漉場工房」さんが毎年行っているギャラリー展。
屋久島で漉かれた和紙に毎年一つのテーマで書や絵などを描くというものです。
今年のお題は「浜」。昨年のお題はウミガメで、浦島太郎説話に基づいて
様々な考察をめぐらされています。
それら神社のうち、おそらく7割ぐらいは「天津日子ホホデミ尊=山幸彦」が御祭神です。
海神の宮に行ってトヨタマヒメと結婚、陸に帰って後は意地悪な兄の海幸彦を従わせて
浦島伝説の一つともいえる神様です。
ウミガメは小型のものでも、かなりの大きさですから平均身長140cmくらいだっただろう
古代の日本人なら楽勝で背中に乗れたでしょう。
今でこそ、ウミガメの上陸地は日本でも屋久島を含めた限られた場所でしかありませんが
古代(というか、おそらく戦前までは)日本中いたるところにウミガメは産卵に上がってきたようです。
天女伝説で有名な美穂の松原周辺、静岡や伊豆当たりにも変型バージョンや類似の伝説が
数多く見られるとか・・・。
浦島型の伝説とみていいでしょう。
とてもロマンチックでファンタスティックなお話であると同時に
海の民と山の民の交流・争いの歴史とみることもできるし
外国(あるいは渡来系の人々)との婚姻や結びつきで力をつけた豪族が
日本の支配権を確立するお話の神話化とも受け取れる。
あるいは、半農半漁、時には交易や出稼ぎなど種々の職業をこなして暮らす、
狭い日本の国土から生じてきたであろう庶民の暮らしが反映された話とも受け取れる。
日本人は元来、単純な漁業者・農家というカテゴリーでは分けきれない、実に様々な
手段で生業を立ててきた側面があるからです。
海賊としても有名な瀬戸内の三島水軍をはじめとした人々の崇める神は
大山津見尊、山の神であるし、塩の道にみられる密な山間部と海浜部の交流もまた然り。
紙漉きは山間部の産業として成立してきたと考えられていますが、
この紙漉きの民は実は忍者や陰陽師などとも深いつながりがあるというような研究も
あるという話を聞いたこともあります。(出所が定かではないですが・・・。)
そんなあれやこれやのお話に思いを巡らせながら、ギャラリー展を楽しんでみてはいかがでしょう?
3月のCafē水照玉は春らしいSWEETSやお茶のラインナップをご用意する予定です。
ちなみに屋久島、今でこそウミガメ保護を高らかに詠っていますが
昭和40年代ごろまで、卵を取る権利というものが入札で決められていて
権利を得た家の子供が卵を掘り出してきては、売って商売にしてたそうです。
もちろん食用・・・。「美味しい」という話も聞く一方で、生臭くて砂がジャリジャリしてまずいという話も。
何にしても、貴重なタンパク源・スタミナ源だったんでしょうね。
(もちろんお金の元でも・・・。)