cafē 水照玉 & hostel~多忙なスローライフ徒然

屋久島・永田のCafēとゲストハウス。ゆる~く菜食&マクロビオティック 営業案内と田舎暮らし・農・食・サスティナブル・教育その他雑多に。

畑はすっからかん(-_-;)

2週連続の18号・19号と大型台風襲来。
900ヘクトパスカルって何よぉーーーー?瞬間最大風速80m????
そんなの来たら、うちは確実に崩壊よぉーーーー!!
と、恐怖しつつ台風対策をしました。
お蔭で10月の連休は営業そのものが停止状態で
3日間は籠城状態。
永田には永田川という川が流れていますが、台風接近の4日前には
大潮だったこともあり、水面はナミナミと増水していて、
「今回は床下か、床上浸水も覚悟だなぁ・・・。」な状態。
いやそれよりも風速60だの70だのの時点でヤバい!
築140年の味のある家、言い変えるならボロ家といえなくもない我が家が
持ちこたえるのか?
ニュースにはならないのですが、実は台風が来ると
小型の竜巻が結構走ってるのですよ、屋久島は!
運悪くその進路にあたったりしたら、防風林は折れるわ、物置小屋程度なら崩壊するわ、
屋根だって飛ぶわで、はっきり言ってシャレにならない!
 
台風の進路をPCで確認しつつスリルあふれる3日間!
幸いジワジワと当初の直撃コースから外れ、勢力も落ちて
いつものデカい台風くらいにはなったので、崩壊は免れました。
浸水の方は正味、ヤバかったようです(汗)
避難準備の勧告出てましたから・・・。
 
結果、防風林がまた1本避けて傾いてしまいましたので
これを何とか起こすか、切るかしなければなりません。
 
そして畑は・・・・すっからかん。とまでいきませんが
ゴーヤー・インゲン・ささげ等の蔓物は消滅。
9月に種まきして間引き追肥も済んでいた大根・ビーツ・人参・エンドウ類・ほうれん草なども
塩水が風で飛んでくるのでやはり消滅。
なすびは葉っぱが飛んで丸裸。
冬野菜の苗たちは屋内に入れておいたものの、連日の雨で苗ポットの湿度が
高くなっていた為、気がついたらナメクジに皆食われとる?!うっそーーー!な状態に。
ミカンの類も随分実が落ちてしまい今年は不作決定。
 
いやぁ・・・・地下にあるイモ類と落花生ぐらいしか食糧がない・・・・。
 
これ、昔なら飢饉・・・?
いや、だって畑に食べ物が極めて少ない種類しかないんですもん。
冬に備えて育ててた苗や冬野菜も消えてるから
秋冬即効食料難ですよ!芋とコメはあるけど青物とかおかずになる野菜がない・・・。
 
現代こそお金を出せばスーパーで野菜売ってますから足りなければ
買う事も可能。でも島内や集落内で完結してた時代なら
深刻な食糧危機の可能性大です。
 
永田に限った事ではなくて、親戚や友人からもよく聞くkのですが、田舎にいくと
「土地に対する執着」みたいなものが物凄く強いよなぁ、と思う事がよくあったのです。
何故かと言うと、30cmとか15cmくらいの境界線の件でよく揉めるんですよ。
古くから親族間で貸し借りしたり、慣例的に定めてきた「あの木が境界の印」みたいな
アバウトな認識をほぼ100%代々続けてきているのが実情ですので
いざ売買とか、相続の際に登記簿通りに測量したら全然違ってた、なんてことがよくあるんですよね。
まぁ測量自体も結構やり方がアバウトな側面があるようですが、
揉め事が多いのは事実なので、その辺りも若干融通効かせたりすることもあるようで・・・。
 
屋久島みたいな島だと「山持ち」とか言っても山一個丸ごとじゃなくて
斜面を細かく複数の人が分割して所有してたりする事が多いので
その境界線も実際の所、正確に把握してるかどうjか持ち主も怪しい。
たしかこの辺、この木が目印・・・なんて状態です。木は年々デカくなるし
国境と同じで土地の上にハッキリ線がひいてあるわけじゃなし、で
お互いに認識が知らないうちにずれて行くことも多いようです。
 
でも畑の状態を見た時に
「ああそうか。」
と、ちょっと個人的には合点がいきました。あjまで個人的な見解ですが。
30cmでも広ければ、そこに食糧を作れるのですよ、畑や田んぼなら。
ましてや屋久島みたいに台風の通り道的立地の場所で
食料を確保していこうと思ったら、やはり土地はそれが10cmでも5cmでも
広い方がイイんです、実際に。沢山作ってれば、例えば同じように7割ダメージを受けても
手元に残る物は当然多くなりますから。
 
今の日本は国内ばかりか世界中から食糧を集めていて
お金を出せばそれが手に入る、と思っている人が殆どではないかと思います。
 
でもひとたび震災の様な事態になったり
或いは戦争とかになったら、それってすぐ駄目になる代物です。
震災直後の東京あたりでの物資不足騒ぎは記憶に新しいですが
今は平和な事を前提にモノや社会がすべて動いてるからアクシデントや
非日常な状態に物凄く弱いんですよね。
 
お金があっても買えない事態だっておこりうるんです。
ましてや屋久島なんて離島にはガソリンだって食糧だって
不足する事態になったら多分後回しです。
需要も多く、確実に売れる、輸送コストも安くすむ都市部で
捌く方が確実に売れるし儲かる訳だし、実際にそこで全部消費されてしまうだけの
人が住んでいるのですから。
 
今でも離島はガソリンが都市部より30円~70円くらい高いのは普通ですが
戦争や天災で物資が不足したら、ガソリンなんて島まで回ってこないと言う事は
充分リアリティのある話だと思います。
買いたければ2倍・3杯の値段で買わないといけない、
なんてことが考えられるんですよね。
私が政治家や企業経営者だったら、まず人の多い、行政や経済機能の重要な基盤でもある
都市部を優先します。人口たかだか1万とか、或いは100人ほどの僻地なんて
余裕が出来たら、の後回しリストにするのは企業家としては効率もよく、経済的、と考えますし、
政治家的には小を切りすてて大を救う、なんて言うかもしれせん。
だって今の政治や経済が実際に数の論理、儲けの論理で動いていて
孔子が言うような道徳では全く行われていないのですから。
仮にも平和なときにそれで、不測の事態でどうなるか?なんて考えるまでもない事です。
 
と、台風の事後処理をしつつ、いきなり政治チックな事を考えてしまったわけですが
やはり!絶対!少しでも我々は自分の食い扶持は自分で作る!と言う事を
日々考え、確保し、その為の日々の地道な努力や作業や研鑽を積まなきゃぁならんぞ!
と、思ったのです。だってお金は喰えないが、芋でも何でも畑で作ってれば
生きていく為に絶対必要な食い物には何とかありつけるのですから。
 
土地は財産!と言うのが日本では今も普通で、実際財産として税金の対象になる訳ですが
「財を産む」から財産なんですよね。で、人間にとってのもっとも根本的な財って何よ?
と考えるなら、古代から「食い物」です。貨幣経済・信用経済の歴史より
コメや麦が税金であり、貨幣の役割をしていた時代の方がはるかに長いのですから。
 
 
という訳で、すっからかんになった畑を眺めてめげている暇なんぞありません!
駄目になった分を埋めるべく、さあ日々野良仕事だ!
と、決意を新たにした今回の台風でした。