cafē 水照玉 & hostel~多忙なスローライフ徒然

屋久島・永田のCafēとゲストハウス。ゆる~く菜食&マクロビオティック 営業案内と田舎暮らし・農・食・サスティナブル・教育その他雑多に。

新年、ネットでウィーンフィル三昧!


新年あけましておめでとうございます
今年も皆様にとって幸多き年でありますように。

フェリーや飛行機の欠航もなく穏やかで温かいお正月の屋久島です。
お問い合わせを頂く事も多いのですが年末年始ガッツリ
お休みいただきましたCafē水照玉。
6日より本年の営業開始です。

皆様はお正月はいかがお過ごしでしたか?
百人一首に映画鑑賞、餅食ってお節食って、真昼間からお酒まで頂いて
ついでにお昼寝して、正しい(?)お正月を今年も我が家では
過ごさせていただきました\(^o^)/
ネットでほじくり出して見まくってました。
流石に今年度のコンサート動画はまだ上がってなくて、
最年少指揮者と言われるディメダルの指揮、DVDを買おうかどうか悩み中!
それはさておき、
今から30年前のカラヤンの時のコンサートは本当に素晴らしい!!
王道を行くような演奏曲目、当時人気絶頂だったキャスリーンバトルの出演と
見どころ満載な上に、終始にこやかなカラヤンの表情や観客までも自分の指揮下に
してしまうカリスマっぷりといい、やはり歴史上でも屈指の指揮者だったんだなぁと
改めてその格好良さに惚れ惚れしました!!
「平和を、平和を・・・そして平和を。」
のスピーチも今見ても何か胸が詰まるような感動があります。

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カラヤンは若い頃はあのナチスドイツの引き立てで
その地位を築いたことは有名で、同じ指揮者で大先達であったフランスの
シャルル・ミュンシュなどはそんな野心家のカラヤンを非常に嫌っていたらしいのは有名な話。

チェロのパブロ・カザルスの様に断固としてファシズムに反対する政治姿勢を貫いた
楽家がいる一方で戦後も依然ベルリンフィルとクラシック界の「帝王」として君臨し続け、
そのカリスマぶり、絶対的な支配力と傲岸ですらある姿勢には批判や反感もやはり多かったことも
知られています。良くも悪くもワンマンで自身の音楽と世界をオーケストラに指先まで徹底させるような
指揮者はもう今は皆無だと聞きます。
ネットには彼の指揮による演奏が幾つもありますが、どれをとっても
一挙手一投足に至るまで緻密に組み上げた音楽世界を
オーケストラの全てに徹底させているその緊張感と正確さの一方で、
圧倒的な華やかさと情緒性が本当に素晴らしい!
ホンの僅かな動きさえ、緩急や音への的確な指示で
演奏する団員一人残らず、ビリビリするような集中力と心地よい緊張感で以て
その指揮に従って演奏しているのが感じられます。
通常映像ではそんな場の空気のようなものは感じられない事が多いのですが
ウィーンフィルと振った「新世界より」の演奏などは本当に鳥肌モノ。
帝王カラヤンのカッコ良さ極まれり!! と思わされます。

批難や揶揄の声も戦後当然あったでしょうけれど、有無を言わせぬ指揮と演奏を
世界に見せつけ「帝王」として誰もが認めざるを得ないモノを
生み出し続けた、その胸中は如何なものだったのだろうか?と思います。

何にしても自身の求める最高の音楽を追求し貫いた信念と美学、姿勢だけは
否定できない事実でしょうね。
或いは若かりし頃の野心のためにファシズムすら利用した自身について
矢張り考えるところはあったのではないかなぁとも思えるスピーチ。

今、自衛隊が他国で軍事行為を行うようになり、基地の建設や移転で騒ぐ一方
世界中でテロが横行している現実を見ると「平和を」と繰り返した
30年前のスピーチが重く胸に響きました。

クラシックは通常「音」のみが重視されますが
オーケストラに関して言えばやはり生!生でなくても「映像」で
見るのが絶対おススメです!

世界屈指の指揮者が毎年タクトを振ってきました。
小澤征爾の日本人だなぁと思わせる精密で真摯な団員からも信頼されているのが伝わる指揮、
クラウディオ・アバドの朗らかで団員の一つ一つの音と可能性を引き出して盛り上げ、
まとめ上げていくような共感型とでも言いたい指揮。
指揮者ごとにおなじオーケストラの同じ曲が此処まで違って聞こえるのか!!と
驚かされ、それぞれの指揮者のアクションの違いや音楽の組み立て方にも
また驚かされます。

そしてそんな30年以上前の演奏から現代に至るまで一度に聞き比べられるネット社会。
いやぁ、ありがたいですね(笑)
ウィンナワルツ漬けの、とっても楽しいお正月の一時でした♪

「平和を、平和を、そして平和を・・・。」

今年の日本と世界がこの言葉に少しでも立ち戻ることを
願ってやみません。