cafē 水照玉 & hostel~多忙なスローライフ徒然

屋久島・永田のCafēとゲストハウス。ゆる~く菜食&マクロビオティック 営業案内と田舎暮らし・農・食・サスティナブル・教育その他雑多に。

この頃思うこと。楽園や理想をo追うことって・・・。

 震災以降、屋久島・永田にも放射能~避難してきた人や家族がチラホラとみられるようになりました。
やはり子供を連れたご家族連れが多いです。
 
 屋久島でもガイガーカウンターを持っていたり、ネットで日々汚染状況や原発関係の検索をする人や
全国のそんな人々から寄せられるデータやニュースが飛び交っています。
 
 正直目に見えない放射能・・・怖いです。マスコミのデータやニュース、食品類の検査結果にしても
本当に信用できるのだろうか・・・・と思うことは多々ありで、子供の学校給食の汚染チェックや
食品のチェックを求める声が屋久島でも上がっているようです。
 
                                 
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 我々大人はまぁいいけど、こと子供のことになると、これまたやっぱり心配です。
震災以降、成り行き田舎暮らしとはいえ日々の糧を自分たちで作って食べられるということを
本当にありがたいなぁ~と思いました。
 
  ただ最近思うのは、安全や安心を求めすぎて何だか大変になっている人たちも多い気がしてなりません。
最近原発の近く、一時物流の深刻なストップで見捨てられてしまうのではと思われた相馬市の
学校給食の震災直後からの推移や暮らしが紹介されている記事を見ました。
内部被ばくにおびえ、外部被ばくにさらされながらも生まれた土地で生きていく決断をした人たち、
隣の市の学校にバスで通う子供たち・・・。
 これから健康や暮らしは将来どうなっていくんだろう・・・と思う一方で、「生きてて良かった」、
毎日何とか元気に家族みんなで暮らしているよ!!と笑顔で語る人や子供たち。
 
  実際問題、原発による汚染は回り回って薄まるとはいえ世界中に何らかの影響を与えるし、
風向きや様々な条件で、思わぬところや物に汚染が広がっているらしいことも聞く。
 
   日本だけの問題でもなく、人間だけの問題でもない。世界中、ある程度の経済力を持つ国には
 何らかの形で核や原発が存在している。
 この地球に生きている限り、何処にも逃げ場はないといってもいいのだろうな・・・と思います。
 言い換えるなら、何処にも理想の土地や楽園なんてものはないんだと・・・。
 
 今・此処で家族そろって日々を生きていられる。
もう一度そんな当たり前のことをかみしめると共に、自分の生きている場所・環境を
私たちは楽園に近づける努力を日々の暮らしの中で、淡々とやっていくべきなんじゃないかな・・・。
 
 原発放射能の問題に限ったことではなく・・・。
 
 たとえば、子供の教育のことで「あの先生には任せられない」「もっといい環境の学校を」などと
不満や抗議をする親であるとか、遠方の高額な学校へ引っ越して通わせたりする人がいる。
もちろん子供のためという想いから。
 たとえば、家をコロコロ引っ越す人や、田舎に来ても「此処は私の落ち着くべき場所ではない」といって
居所を変えて彷徨する人もいる。
 
 夏目漱石草枕で、
   「とかく人の世は住みにくい。」 と記し、かつ
   「ただの人が作った人の世が住みにくいからと言って超す国はあるまい」
   「超すことのならぬ世が住みにくければ、住みにくい処をどれほどか、寛容げて
    束の間の命を、束の間でも住みよくせねばなら。」 と書いている。
 
 10代20代の頃、私は夏目漱石は正直好きではありませんでした。
 「坊ちゃん」は面白かったけれど、高校の教科書に出てくる「心」などは
 何とも私の性分ではイライラする登場人物たちで、その人間の生々しい浅ましさみたいなものが
 好きになれなかったからです。
 
 まぁ今でも好きな作家ではないのですが、最近つとに「草枕」の有名な冒頭の文章が
 深く納得できるようになってきました。
 
 本当にあればいいけれど、何処にも理想の国も環境もあるはずもなく
 私たちは今生きている此処で少しでも良いと思われる方へと生きていくしかないのではないかな・・と。
 他者や自分の外側にばかり理想を求めて不平不満をたれたり、
 追いかけてばかりいても、今が勿体ないのではないかと・・・。
 
 もちろん生命の危機にかかわることは、きちんと主張し、要求し、
 家族や自分を守っていくことは当たり前です。
 原発事故なんて国家の国民に対する犯罪なんじゃないかと思ってます。
 
 それ以外の部分では誰に対しても、何に対しても寛容に、
 ある意味「腹を括って」、日々を淡々と生きていく方が
 実は心穏やかに、楽しく生きていけるんじゃないかな・・・という気がしてます。