永田私的植物図鑑④ サクララン
店の入り口そば、看板の横にサクラランの花が咲き始めました。
通常は森に咲いているイメージが私にはあるのですが
何故かCafē水照玉に生息しています。
前住人が移植でもしたのでしょうか？
見た目は蝋細工かビニールでできているかのような
光沢と質感のある花です。
写真のような花がボール状に丸く集まって咲いています。
葉っぱは多肉質な感じ・・・。
ちょっと不思議な植物です。
つる性なので切り花には向きません。
この花も照葉樹林の森の中でひっそりと楚々として
咲いている花の一つでしょう。
薄暗い森の中で、木に絡まって咲く控えめな花。
濃密で色濃い森の営みは
こうした密やかで目立たない花たちの活動で
実は支えられているのでしょう。
今の永田はアジサイの花盛り。
屋久島はよく雨が降るので酸性土壌が多いのか
青いアジサイが多いです。
あお・青紫・紫・・・。
雨の中で華やかに咲き競う様が陰鬱な梅雨のムードを
払拭してくれます。
西洋アジサイはさらにゴージャス。
でも少し山に入ると白い楚々とした山アジサイが
儚げな風情で咲いています。
きらびやかなパーティードレスなら
山アジサイのそれは白いシンプルなリネンのワンピースのよう。
昨日、学校の図書室から借りてきた
「はだしのゲン」を読んでいる長女が聞きました。
私が子供のころからある古い古いマンガです。
「ねぇおかぁさん、道端で人を殺したら殺人で捕まるよね。
どうして戦争で人を殺したら勲章がもらえるの？」
そうだね。やっている事は同じなのにね・・・。
今日も雨が降ります。
梅雨空の中に咲く、
サクラランと山アジサイ。
地味でも目立たなくても
淡々と背筋を伸ばして、
見た目の華やかさや快適さ、目先の利益に惑わされない
凛とした心で生きることの強さや大切さを
無言で見せてくれているようです。
