cafē 水照玉 & hostel~多忙なスローライフ徒然

屋久島・永田のCafēとゲストハウス。ゆる~く菜食&マクロビオティック 営業案内と田舎暮らし・農・食・サスティナブル・教育その他雑多に。

彼岸花・曼珠沙華 永田私的植物図鑑

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 来週はお彼岸。暑さ寒さも彼岸まで、と言いますが、今年は「夏あったけ?」と思うような
雨続きで真面に晴れた日が数える程しかありません。天気が悪い分、過ごしやすい気温の日が
多かったのですが、中途半端に蒸し暑くて梅雨でもないのにいろんなものがカビるカビる・・・(◎_◎;)
 
いや、どうせ暑いんなら例年のように思いっきりカーン!と晴れてくれる方が布団も干せるし
洗濯ものも湿っぽくならないし、ソーラーのお湯もよく沸くしいいんだけど・・・・。
 
 元気なのは田畑の雑草と菌類ばかりです。草刈っても10日ほどでほぼ7割がたは元通りって、
ちょっと勘弁してくんないかな、ホント・・・と思ってしまいます。
 キチンと種まいても雨で流れて播きなおして・・・を繰り返すうちに1か月遅れになり
今年の正月の人参は間に合いそうにないなぁ・・・と言う事態も、根がセッカチな京都大阪人の私には
「ウっキー!!!」となる事態だったりします。いやいや、一生修行しないとすぐ感情的になりますなぁ。
 
 そんな日々の中、ある日忽然と地面から現れる真っ直ぐな茎。
今年も彼岸花の季節がやってきました。
 いやぁ毎年思いますが、本当にお彼岸頃に咲き始めるのですよね。
お店の庭には伝統的な真紅のものの他に、ピンクやクリーム色の園芸種も植わっていて
微妙に時期が前後しながら綺麗な花姿を見る事が出来ます。
 
 別名を曼珠沙華。本州では墓場の周辺によく植えられていたとかで死人花の異称もあり
根っこには猛毒があります。茎から出る汁を少し舐めるだけでも相当ヤバいのだとか・・・。
見ようによっては黒味のかった深い紅の色は群生して咲いていると毒々しい感じも受けないでもないですが
私は子供の頃から黄金色に色づき始めた田んぼの畔にズラリと並んで咲く赤いこの花の風景は
穏やかで豊かな秋の風景として大好きでした。
 近寄ってみた時の華やかで幻想的な、天女が輪になってダンスをしているような
花の造形も神秘的で溜息が出ます。
 新見南吉のごん狐にも彼岸花の描写が出てくるのが印象的。
 
 元来救荒作物としていよいよ食べる物が無い時には、根っこを晒して毒出しした上で
デンプン質を取り出して食用にする為に植えられていたのだそうです。
 
 近年台風の時期が随分前倒しにずれてきていたり
今年のように夏が無かったりといわゆる異常気象に思われますが
時々「果たしてそうなのか・・・?」とも思います。地球は誕生以来何度も地殻変動もあれば
氷河期やその反対の暑い時期もあったようで、それらは勿論ある日突然スイッチが入る様に
切り替わる訳ではありません。
 そう考えると最近のおかしな気候も長いスパンで見れば異常ではないのかなぁ・・とも思ったり。
けれど明らかに人間による環境への負荷や過干渉もあるのは確かでしょうね。
 
 そんな状況の中でも黙々と植物たちは自分たちの時間を刻み、次代へと生命を繋いでいます。
色々不安な材料が多い昨今の世の中ですが、淡々と日々生きていく強さもまた必要なのでしょう。
 
 来年もお彼岸の頃には彼岸花が見られるように願うばかりです。