cafē 水照玉 & hostel~多忙なスローライフ徒然

屋久島・永田のCafēとゲストハウス。ゆる~く菜食&マクロビオティック 営業案内と田舎暮らし・農・食・サスティナブル・教育その他雑多に。

お彼岸です

イメージ 1天気予報は晴れでしたが、夜明け方に雨が
降って相も変わらず高湿度な屋久島・永田です。
 今年はこの夜明け方に夕立のような雨が降る、というパターンがずっと続いていて、真夏はサウナ状態、今もお彼岸のさわやかな秋晴れとは程遠い状態です。
 まあ暑いのは暑いのですが、一時よりは
過ごしやすくなりました。
 👈そしてきちんとお彼岸に咲いている彼岸花
この島は本州に比べると明らかに秋の訪れが遅いはずなのですが、なぜか彼岸花だけは
お彼岸に咲くのが不思議です
この花は地球の運行と太陽との位置関係でも、ひょっとして把握してるんじゃないだろうか???などと思うくらい、お彼岸数日前になると忽然と地上にニューっとつぼみを付けた茎が伸びてくるんですよね。
 写真は観賞用の薄いピンクの品種ですが、昔からの真紅の彼岸花もちらほらと咲いています。ユリ科なので一つ一つの花を見ると、ああ百合の花だな、と
思うのですが、全体の造形の優美で美しい事は格別です。曼殊沙華の別名が
ありますが、深紅の花が群生しているさまは幻想的ですらあります。
 新見南吉の代表作「ごんぎつね」には田んぼの畔一面に咲く彼岸花の赤とキツネ、
周囲の緑の里の風景が描写されていて、個人的にはとても印象的です。ごんぎつねというと、この彼岸花の風景をなぜか連想してしまいます。

 この花が咲くとお墓が賑やかになります(^-^)
鹿児島は南方文化圏の特徴でもありますが、先祖やお墓をとても大事にします。
屋久島の墓地はどこもほぼお花が常に美しく生けられていて、中には屋根付きの
お墓も(初めて見たときはびっくりしました)。お墓が手入れされてないのは
親不孝・怠け者!とそしりを受けるみたいです。村中が親戚ではないかと思うほど
小さく人の出入りの少ない島の村のことですから尚更でしょう。
 お盆やお彼岸は勿論、みんなこぞって掃除やお墓詣りにやってきます。
だから沖縄もそうですが、お墓が陰気ではないところが素敵ですね。
お盆の間はお墓の前でワイワイ食事をしてたりします。
 見えざるものと見えるものとが一緒に空間にいて楽しんでいるような情景は
日本人の精神性にも深く根差しているものなのかもしれません。
 先祖に限らず家の中も外も神様だらけなのが日本の古い暮らし。
竈の神様、水の神様、トイレにもちゃんと神様がいてなんとその神様は自分の口で
排泄物を受け取ってくれているのだと、子供のころは聞かされました。
 だからトイレは家の中でも特に綺麗に保っておかねばならないのだと。
ボットン便所ですから除けば排泄物は目につくし、ハエや雑菌の繁殖を防ぐ意味でも神様への畏敬と感謝を込めて清潔に保つように、ということだったのでしょう。
最近はめっきり数も減ったこともあって汲み取りトイレを見たことのない人の方が
多いようです。
 お店のトイレに入っても、和式トイレのやり方がわからない人もいます。
和式だとわかると、トイレをしないで戻ってくる人も(^^;)
 結局用足しなんですから、どっちでもいいと思うのですが・・・。
びっくりするのは「和式トイレは汚い」という人がいる事。水洗ではどうしたって
排泄物を見る機会が減って、流してしまえば目につかないからだと思いますが、
汲み取りのトイレ自体は別に汚くなんかないと思います。(・・;)
むしろ、誰が座ったかわからない洋式トイレや便座カバーの方が雑菌の問題では
心配なくらいです。まあ視覚からくるイメージの問題ですね。見えないからキレイと
いうのは考えたらおかしな話ではないかと思います。臭いものに蓋、自分の
目の前からなくなればOK!というのは問題だと思います。
 昔の日本人は今のように添加物やいろんな薬漬けではなく、魚と野菜が中心、
みそに漬物、納豆と発酵食品オンパレードな生活でしたから、排泄物は畑に入れる大事な肥しだった歴史があります。
 烏伝神道を唱えた梅辻規清は「巡り巡って人の口と尻とは繋がっているのだから、
毒となるようなものを体内に取り入れ排泄してはならない、大地を汚し、巡り巡って
自分や他者に結局はその毒が返ってくるのだと説いています。
 実は肉食や飲酒をすると排泄物の匂いは露骨に変わります。ウンチ診断なるものもあるようですが、排泄物にはその人の健康状態や食生活がはっきり出ます。
病院や健康診断では検尿や検便はしょっちゅう行われますよね。腸や体内の微生物
や寄生ウィルスの影響で人間の思考や行動に影響が出るという最新の研究データも
あると最近目にしましたが、「見えざる者や存在」は私たちの周り中、体内にも
それはそれはたくさんいるわけで、そういったものを私たちは神様・ご先祖・妖怪
精霊などとその時々や場所によって呼びならわしてきたのだと思います。
 今、先端科学や医療、生物などいろんな分野でミクロやナノの存在が私たちに
与える作用やメカニズムが解明されてきていますね。かつて錬金術や魔術から
現代化学や科学が生まれてきたように、スピリチュアルや迷信俗信と言われる分野に未来へのヒントが出てくるように思えます。
 そんなこんなを考えながら「おはぎ」を作りました。お彼岸にはやっぱり
これがなくては!\(^o^)/
 圧力なべで小豆を焚いたら水がちょっと足りなくて、固い粒が時々混ざった
あんこになってしまいましたが、行事のこうしたお菓子や御馳走はいいものです。
 夏の暑さに疲れた体には、甘いおはぎは格別にまたおいしい!
 彼岸花を眺めながらいただきましょう。<(_ _)>
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