ネコとの戦い

　我が家はノラネコの通行路である。
毎日庭を何匹もの猫が通り過ぎ、油断すると勝手口から台所へ侵入、ゴミ袋や
その他食べ物を荒らしていく・・・。
盛りの時期には縁の下で大バトルを繰り広げたこともある。

　故に猫の侵入には気をつけていて、夏の夜間も網戸を用いて
彼らが入れないようにしていたし、今まで夜間に侵入された事はなかった。

　ところが先日の朝。
台所に子供のおやつに焼いたカップケーキの袋が穴を開けられて転がっている！！
しかも主人が気に入って魚屋で買ってきて置いておいたスナック風の小魚天麩羅の袋が
空っぽになってこれも転がっている！！

　どこだ！どこから入ったんだ！！！

が、その日は侵入路がわからずにそのまま夜に。
ここ１か月ほど主人は公演ツアーに出ていて母子家庭ライフ中なので
夜間に気兼ねなくPCワークを出来ることもありPCに向かっていた。

　ふと喉が渇いてお茶を飲もうと台所に向かう。
と、っ畳の上を歩く一匹のクロネコとバッチリ目が合ってしまった！！
こいつか！！！
まだ若い細身のクロネコ。中々賢そうな美女（美男？）猫だ。
奴は電光石火の如く身を翻すと、我々がブラックホールと呼んでいる物置スペースへ！！
そこからどうやら縁の下に飛び込み、外に飛び出していったらしい。

しまった！そこが開いていたのか～～！！！
今まで侵入された事がなかったから気付かなかった！！

我々の借りている家は築１３０年以上の古民家だが、もともとの家の持ち主の荷物が
一部屋ぎっし詰まっていて開かずの部屋となっているのだ。
　（といっても、年間の７割が高湿度のこの島の家は基本的にふすま等の間仕切りを
　　あまりしないので目隠し程度でイケイケなのだが・・・）
その部屋の縁の下から侵入するルートをクロネコは発見したようなのだ。
猫にもトロくさいのやら色々いるが、奴は見かけ通り中々頭のいい猫らしい。

しかも・・・・・！！
あっ～－－－－－－－－－－－－－－－！！！
明日の朝食に焼いて布巾をかけて置いた天然酵母パンが食い荒らされている～～！！

怒り心頭！！

早速翌日、縁の下に潜り侵入路を金網でふさぐ作業に。
ブラックホールの部屋を開けた事のない表側部分から開けて先ず荷物を整理してから縁の下へ。
屋久島の家は南国仕様で床の高さが高めなので、縁の下に入るのは比較的楽なのだが
やはり狭いし低い！！　うっぷっぷ埃が！！

予定外の労働でその日は時間をとられてしまった。
密閉性の高いコンクリートとサッシの家ならこんな作業は必要ないのだろうけど・・・。
しかし焼きたての、しかも中々上出来だったパンを猫に先に食われてしまったのは
かなり悔しい出来事だった。