cafē 水照玉 & hostel~多忙なスローライフ徒然

屋久島・永田のCafēとゲストハウス。ゆる~く菜食&マクロビオティック 営業案内と田舎暮らし・農・食・サスティナブル・教育その他雑多に。

藍染め初挑戦!

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 我が家の庭には勝手口のすぐそば、一日中半日陰の一角に琉球藍が繁みを作っている。
これは半年少ししか住んでいなかった前住人が何処からか入手して植えた物。
前住人は少し夢見がちな風情の繊細な若者だったようで、夏のある日「平家の落人の亡霊」に
取り付かれて山に入り一時行方不明になったらしい。

我々が住む集落は元々平家の落人が開いた集落で、その手の亡霊による神隠しの話や
子供の頃に接近遭遇したというご老人も結構いる。ちなみに前住人の苗字は「平」さん。

 で、この琉球藍が繁りすぎてかなり通行の邪魔になってきた。
しかし、琉球藍というのは南西諸島と琉球一体でしか栽培、もしくは利用されていない
貴重な藍で、しかもその色は数ある藍染の原料植物の中でも飛びぬけて色が美しいと言う話。

 ただ切って捨てるのは勿体無いなぁ・・・・。
そう思って琉球藍での藍染について調べてみると、薬品を使った「アルカリ建て」という
方法なら素人でもどうやらお手軽に出来そうな事がわかった。

「よし!やってみるべし」
思い立ったら吉日で早速藍の葉っぱを水に漬け込む。

大雑把な工程を書くと
 ①水に藍の成分を溶かしだし
 ②何日かして葉っぱが茶色く変色して水が青緑色になったら上澄みを葉っぱと上澄みを捨てる
 ③上澄みを捨てる作業を何度か繰り返して
 ④きれいな水を加えて、苛性ソーダもしくは消石灰を加えてよ~く攪拌
 ⑤すると藍色の泡がぶくぶくと立ち始めて、何と言うか独特の匂いがする
   (いわゆる藍が建った状態だそうな)
 ⑥そこにハイドロサルファイトという薬品と塩少々を加えて攪拌、
  布を漬け込み、引き上げて空気に触れさせると藍の青色が発色する

 藍の染色・発色自体はとても科学的な世界なのだが、伝統的には琉球藍は
これを他の藍と同じく発酵という工程で取り出す。その際にふすまや糖蜜の他に
泡盛」を使うのがいかにも沖縄~という感じ。

 しかし発酵建ては時間がかかるし難しい。しかも行うなら梅雨時のほうがいいとの事。
今回はまぁ初心者のお試しと言う事でイージーな方法で行いました。それでも染めるまでに
1週間強かかっているので、手芸店で化学染料買ってきて染めるよりは手間隙ですね。

 さて、そして染まったのが写真。生機のコットンリネンを染めた物です。
攪拌の工程がたりなかった事と、藍の分量が少なかった事もあり色は藍色ではなく
浅葱色とか甕のぞきとか言われる明るい水色ですが、初チャレンジとしては上々かな。

 藍というのは建ってる状態のときも染め上がった後も独特の匂いがします。
あまりいい匂いとはいえませんが、そう不快な匂いでもありません。
これがどうやら古来から虫や蛇を避けると言われた藍染の効能の原因のよう。

 草木染めと違って媒染剤がいらないし、染液から布を取り出したとき
見る見るうちに緑色だった布が青へ変化していくさまは
ちょっとしたワクワクと感動があります!!

ちなみに今回染めた布は、我が家の姫と王子、その父親の普段着のズボンに仕立てました。
次回は発酵建てにも挑戦してみようかな・・・と