季節を映す
最近和菓子作りにちょっと凝っています。
屋久島にはここ数年洋菓子系統のお店は何軒かできたのですが
いわゆる和菓子を売っているお店は1軒のみ。
唯一のお店なのですが正直「鹿児島テイスト」な和菓子は
私には羽が痛くなるほど甘すぎてちょっと遠慮したい・・・。
となると自前で作るしかなくなるわけです。大阪や京都にいたころは
春には桜餅・鶯餅なんて当たり前、桜や藤、アヤメなどを象った繊細な
主菓子や干菓子などが和菓子屋の店先に並んでいるのは普通で
和菓子屋の店先で改めて季節の移ろいを感じたり、心が華やかな気分に
なることも多いものでした。
よく食べる芸術品ともいわれますが、四季折々の風物を色の重ねや
形状で具体的に、あるいは象徴的に象った和菓子はいつみても
飽きない、見るセラピーと言ってもいいくらいです。
あることも多く、知らずとも楽しめる反面、教養に応じて更に深い、
知的な想像力を働かせることのできる世界でもあります。
和菓子のいいところはローカロリーはもちろん、たいていのものは
スーパーで気軽に手に入る材料で作れてしまう所も魅力でしょう。
流石に繊細できれいな色付けであるとかは、専用の色粉が必要ですし、ちょっとした道具も
あれば仕上がりに差がつくのは当然ですが・・・。
そろそろ初夏だから色は?何のイメージで作る?こなしにしようか、細工の簡単な外郎菓子に
しようか?それとも求肥を作って大福系?なんてバリエーションと仕上がりをイメージしながら
季節を映し込んでいく工程はささやかですが、とても楽しいものです。
日本列島は新茶のシーズン、フレッシュな新茶とお菓子で一服も季節の楽しみです。